2009年11月18日水曜日

尊い寺は門から知れる

  先週、長期研修生長期研修生全員である日本の高等学校を訪れる機会に恵まれた。その日は学校の日常生活に巻き込まれたり、高校生の憧れと悩みに触れ合ったりする機会となった。訪問の目的は日本の教育制度の働きと現在の学校の様子を見学して、国の教育制度とその事情を考えて、振り返ることだった。
だが、学校に着いてすぐあまり教育と関係のないことだが、ある日本人の考え方に気が付いた。それは日本人の物の扱いだった。
  日本は、世界各国より一歩先を歩いていて、進歩的なアイデアに富んでいる国だとされている。不思議な発明と言えば、まず日本だというイメージが強いからこそ、日本の科学と教育制度に寄せられている期待も高い。したがって、そんな日本の教育施設が充実したものでないなど到底想像できないだろう。
  しかし、実際の日本の学校は使い古した物、地味な色に染まっているインテリア、素朴な教育環境そのものである。
  それを見て、自分が持っているイメージとずれていることが分かって、がっかりしてしまう人もいるかもしれないが、そういう様子は日本人の考え方の現われ一つだと私は思う。
  伝統のせいか節約のせいか日本人は古い物を大事にする。物が古くても、まだ役に立つうちはそれを捨てるより適当に使おうという気持ちが強い。古い物を大事に扱いながら、新しい物に徐々に買って換えていって、豊富な資産を作る。その例として挙げられるのが日本の学校である。装備は普通に見えるが、どんな部活動でも学習でも、必要な道具は気軽に手に入る。美術部だったら、絵の具だけでなく、粘土でも広い制作室でも実際に美術を習うための道具が備え付けられている。
  その様子を見て、ロシアはどうであろうかと振り返ってみた。
  一言で言うとロシアは日本の逆だと言えるだろう。ロシアの学校は明るい色に染め上げられたばかりで、新しい家具と道具がきれいに並んでいる場所というイメージである。でも、それはなぜだろうか。外国人がロシアの学校を訪れることが決まったら、みんなは学校を不自然なほどきれいにすることになっている。お客さんがある時はつま先からてっぺんまでの自分磨きが普通である。古いまたは壊いることは恥ずべきことで、誰にも見られないようにできるだけ早く捨て、新しい物に替えるということが行われる。日本と違って、現代的で設備は新しいと言えるが、決して豊かだとは言えない。
そういう物の扱いは態度の要素の一つだと思う。日本人は続けることを大事にするが、ロシア人はよりよくするようにやり直すことが大切だと思っている。その例として挙げられるのは学校で行われる来訪者へのおもてなしの行為である。高校訪問の時に、日本人のみなは日常のペースを守って、やるべきことを普通に続けていたが、ロシアの学校だったら、日常の生活をひっくり返して、特別な工夫を見せることになる。
  その二つの様子を比べてみると、二カ国の国柄が見える。
  ロシアはかつて大国だったので、そのコンプレックスが無意識的にロシア人の生活観に根ざしている。大きくて、豊かな国ロシアなのに今の大国より進歩的にずっと負けている。それが恥ずかしいと思うロシア人はもし自分をきれいに見せたら、周りの人がよく思ってくれるだろうという考え方が強い。実際は豊かではないが、豊かにみせたら、それでいいと思ってしまう人が多い。
  しかし、そういう態度の中に物だけでなく、伝統と考え方まで及んでいる危険性が潜んではいないだろうか。これまで積み上げてきたことを重んじず毎回新たに始めることばかりしていたら、積み上げることはできないであろう。
その一方、日本人はこれまでのことを基にして、それにすこしずつ新しいものを加えて、やるべきことを続け、着実に歩む国民だと言える。
  ロシアはしばらく東のほうにある隣国のことを見習ったらどうだろうか。

6 件のコメント:

  1.  面白い発見だと思います。
    ポリーナの文章を読んで、色々学ぶことができましたよ。
    言葉遣いから内容までもいい参考になりました。
    いい文章を読ませてもらって、ありがとうね!

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  2. ポリーナさんの作文を読んで、ポリーナさんは言っていることは私の国と同じだと思いました。実は、高校で使い古したものを見て私も不思議に思ったんです。でもこの高校は田舎にあって、そしてごく普通の高校ですからそうではないか思った。

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  3. ポリーナさんの作文を読んで、日本人の考え方に関する知識がまた増えました。古いものが捨てないで、新しいものの機能に役に立たせるのがさすが日本のいいところの一つだと思います。正直にロシア人の考え方を書いたのは、とてもいい評論だと思います。

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  4. ポリーナさん、
    いつも本当にとても上手に書いていますね。ポリーナさんの作文を読んでいる時、私もいつかポーりナさんのように書きたいと考えています。

    ポリーナさんは、語彙の選択はとても上手だと思います。作文の構成もいつもとてもいいです。ロシアのことも入れて、本当によかったと思います。

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  5. ポリーナさんならではのレポートの書き方ですね。作文の流れはよかったと思います。話題に適切な語彙と表現が十分あったと思います。最初の段落の「高校生の憧れと悩み」という表現がとても気にいりました。面白い作文を読ませてどうもありがとうございました。

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  6.  ポリーナさん、作文を書くのが上手ですね!
    作文の流れ・構成も良いし、語彙の使い方も良いと思います。
     同じことなんですけど、日本の様子を見てから、ロシアの方も振り返って、読み手が興味が持てるようによく書けましたね。
    「ロシアはしばらく東のほうにある隣国のことを見習ったらどうだろうか。」という最後の結論が大好きですよ!(*~*)

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