2009年11月19日木曜日

教師がいない明日の社会

日本に来る前に、ノボシビルスク大学(ロシア)で日本語を教えている日本人の先生からこういう話を聞いた。日本の大学生はロシアの大学生と違って、講義中に寝たり、カップラーメンを食べたり、先生の説明を聞かなかったりする学生が少なくないという話だ。私はその話を真に受けなかった。東洋諸国の日本や中国などでは大昔から先生は地位が高くて尊敬すべき人であることはだれもがよく知っているからである。日本語に関係がないロシア人でも「先生」と呼ばれている人はとても偉い人であると認知されている。たしかに、漢字を見たら、「先生」は先に生まれた、つまり賢明で、貴重な経験を積んだ人だとわかる。
先週、所沢西高校を訪問して、現代文学の授業を参加させてもらった。しかし、そのとき先生の話を一語ももらすまいと耳を傾けて聞いている熱心な生徒の姿は見つけられなかった。「生徒たちはどうしてそんな態度なのだろう?」と日本人の友人に聞いてみたところ、「今の日本の教育はいろいろな問題を抱えていて、先生の地位も下がってきている。教師がサラリーマン化しているといっていいだろう。」という答えだった。
日本は昔から先生の地位は高いはずなのに今どうして下がっているのか。ある新聞の記事によると、学校選択制が広がる中、学校は「消費者が選び取るサービスのひとつ」になったそうである。気に入らなければ苦情を言ったり、嫌なら替えればいい、と思う人が増加しているようである。つまり、学校にも先生に対しても考え方が変わったということのようである。
ロシアでも教育に関してさまざまな問題が起こっている。たとえば、今はお金があれば、だれでも高校や大学に入られる時代になったから、教育の価値が低下したという感覚がある。つまり、実際は、学習に不向きな人や学習力に欠けている人でも学校に在籍しているので、教育の価値も先生の地位もだんだんさがっている。
もう一つの理由は、日本とロシアだけでなく、全世界どこも同じ傾向が見られるということである。それは勉強の仕方、更に教育の様子はだんだんかわりつつあるということである。現代は、生活のスピードが速くなるとともに、人々は自分の時間を最も重要視しているので、いろいろなことをコンピュータに頼る傾向にある。教育も例外ではない。今は世界中インターネットを使ってどんな情報でも手に入れたり、いろいろなことを学ぶことが可能である、自宅から出かけずに勉強もテストや試験も受けることも可能な「遠隔教育」は次第に普及している。その結果、教師は不要になるのではないかと心配している。やはり教師は生徒に知識を伝える人だけでなく、自分の貴重な経験も人生のいろいろなことも教える存在である。生徒たちは家にいるより学校にいる時間の方が長いから、自分の悩みや相談に乗ってもらいたい場合、両親でなくて、先生に相談する人は少なくない。
毎日スピードが速くなる生活に従うほかしかないが、教師のいない明日の社会は想像がつかない。

9 件のコメント:

  1.  意味深いのテーマでしょうね。
     アナスタシアさんがいい文章が書けたと思います。
     この間、高校訪問の時、私も「今は教育はサービス業の一つだと考えられる時代になっている」と聞いて、心細く感じがしていました。
     「先生がいない明日の社会はどうなろうだろう」。

    返信削除
  2. アナスタシヤさん、ご苦労さまでした。

    アナスタシヤさんが選んだテーマは深刻で、きっと読み手の興味が引けるテーマに違いないです。現在、どんな国にでも教師の役割が変化を遂げて、私たちも新しい環境に即応して自分を変えないといけないと感じられます。

    アナスタシヤさんは作文の構成を考えておいて、頑張っていたようですね。いろいろな比較を入れて、本文が読みやすくなりました。

    返信削除
  3. アナスタシヤさん、
    タイトルを忘れましたか。それとも、いいタイトルを見つける仕事を私たちに任せましたか。「先生の地位~昔、現代、将来~」はどうですか。このようなタイトルを付けたら、もう少し詳しく書いたほうがいいと思います。昔はどうだったか、今はどうですか、将来にどうなるかと思いますか。

    返信削除
  4. 先生である私たちの将来性を抱えたテーマですね。読む手に大してすごく分かりやすくかけたと思います。結論文も読み手に考えてほしいタイプで終わらせて、ナスチャさんの言いたいことを伝えられたと思います。

    返信削除
  5. 非常に私の読む興味が引かれました。先生の本当の地位が外れたことと将来の先生がいないという教育に対してとても不安だと感じています。どんなに生活の要素が激しく発展していても、先生に対する評判と必要性が代わらないでほしいですね。アナスタシアさんはとてもいい作文を書いてくれて、ありがとうございました。

    返信削除
  6. この文章は私をいろいろ考えさせたテーマを抱えている。やはり教師たる私たちの役割が最近下がるきらいがある。アナスタシャさんがその状況の原因を挙げて、いい文章にできたと思う。作文に出された原因は学生の態度が中心になっているような気がする。それで、先生として仕事をしている人がどう思うか、少し加えたらいいんだろうなぁ。例えば、教師をするのはただ教師の仕事が経済的に安定な仕事だと考える人が多いためだ。その面でよく参考したり、するのも面白いと思う。
    ありがとうございます。

    返信削除
  7. アナスタシアさんとても読みやすくて、面白い作文を書けましたね。前の作文よりは、文書の書き方はうまくなってきたと思いました。新聞の記事のことや「先生」という言葉の(漢字の)意味を書いたのも、とても工夫が良かったと思いました。

    返信削除
  8. アナスタシアさん、

    文章のタイトルから早くも読み手の注意を引き出させたと思います。将来、もし先生の役割が要らなくなったら、どうなるのでしょうね。日本とロシアの教育問題を取り上げて述べたので、内容が凄く分かりやすかったです。

    教師の地位が下がってきたというのはマレーシアでも同じです。最もひどかったのは何年前、自分の学生に殴られた教師がいて、非常にマレーシア人を驚かせた事件でした。確かに現在「教育は消費者が選ぶサービス」という考え方になったので、教師に対する尊敬もだんだんなくなってしまうのでしょう。非常に残念なことですね。(T-T)

    返信削除
  9.   そうですね。ベトナムでも教師の地位が下がってくるきらいがある。
      アナスタシアさんは面白くて読みやすい作文が書けましたよ。だだし、タイトルについて、もう少し考えたら、よろしいでしょうか。
      良い作文、ありがとうございました!

    返信削除